ケイマンSPCとは
特別目的会社のことです
ケイマンSPCというのは、英国領ケイマン諸島に設立される特別目的会社のことです。
ケイマンSPCは、不動産証券化において、原資産の保有者であるオリジネーターと、国内SPCとの倒産隔離を図るための仕組みとして慈善信託と組み合わせて利用されることが多いです。
ケイマンSPCの仕組みは?
ケイマンSPCは、オリジネーター等から依頼を受けた弁護士などが出資して設立しますが、その普通株式は海外の信託会社に無償譲渡されます。
そして、同時に信託会社が信託宣言という英米法特有の制度を利用して、普通株式の慈善信託を行います。
その後、新たに慈善信託が株主となったケイマンSPCが出資して国内に特別目的会社(国内SPC)を設立します。
国内SPCの経営は?
ケイマンSPCの利用による国内SPCの経営は、海外の慈善信託の影響のみを受けることになります。
しかしながら、ケイマンSPCの当初の出資者は、その普通株式を無償譲渡し慈善信託しているので、国内SPCの経営には恣意的な影響を及ぼすことができない仕組みになっています。
よって、実質的にオリジネーターから倒産隔離されることになります。
ケイマンSPCを利用する
理由は?
ケイマンSPCを利用するのは、次のような理由からです。
■設立事務手続きの利便性
■法人税・源泉税が非課税
■慈善信託等を用いた倒産隔離が比較的容易
■政情の安定...など